ブログ, 夫 K's place 産後忙しいのに、夫が家事や育児をやろうとしない!どうして?

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産後つらい体で慣れない育児と家事に奮闘する中、ふと思う、「夫はなぜ自分からやろうとしない?」「なぜ頼んでも途中で投げ出す?」腹も立ちますが、いっそ不思議ですよね。


この調査は家電メーカーの「象印」が行ったものです。子どもを持つ妻と夫それぞれに、家事育児シェアのあり方を聞いたものですが、大抵の夫が、妻から見てたいしたことをしていないにも関わらず、「俺は結構やっている」もしくは「やらされている」と感じているのが分かります。

既婚女性へのアンケートで、「夫に言われて腹立たしいこと」の上位にいつも「手伝おうか?」があります。一見優しいこの言葉に腹が立つのは、「僕がやるべき事じゃないけど」と言うニュアンスが含まれているからですよね。

最近お父さんになった年頃の日本男性の大半は、家事育児を一手に引き受けて、何なら仕事までそつなくこなしてきた世代のお母さんを見て育ちました。当時は今で言う「ワンオペ育児」はごく当たり前のことでした。「男子厨房に入らず」という言葉が生きていて、女性は幼い頃から家事をするべく躾けられ、良妻賢母を目指して育てられました。戦後日本の高度経済成長を成し遂げた、「社畜」とも呼ばれる男性方には家事育児をする余裕も名目も与えられませんでしたし、続く世代には「家事育児は妻がするもの」という価値観が引き継がれました。団塊ジュニア世代の妻は専業主婦こそ減りましたが、日本の税制・保育政策等は多くの妻を家事育児の担い手、家計補助者的な立場に留める役割を果たしました。

あなたの夫には、家のことは何でもお母さんがやってくれた、その思い出が体に染みついています。自分が家庭を持って家の中に「お母さん」というスーパー家事育児マシーンのような存在が出来たら、「彼女は僕の母と同じ事をしてくれる」と信じて疑いません。例え共働きで子どもが出来るまでは家事をシェアしてきたカップルでも、産休育休に入って仕事をしなくなれば、「もう手伝わなくて良い」となります。一旦「しなくて良く」なったことは、妻が仕事復帰しても「上手くやるだろう」と希望的観測にすがり、妻がブチ切れるまで妻任せになりがちです。


この調査は内閣府が行ったものです。子どもの居ない世帯でも、男性側がより長時間働いており、家事は妻による負担が多いのですが、自由時間はほとんど変わりなく取れています。それが、子どもが出来ることで夫の仕事時間はさらに延びています。一家の大黒柱として、「より稼がねば」という意識の表れと言えます。ですが結果、家事育児の負担が妻に偏ることで、妻の自由時間は大きく減っています。次の象印の調査に出ているように、最近のお母さん方の多くは、「残業代を稼ぐより、早く帰ってきて欲しい」と思っているのですが、そこには男女間の大きなギャップがあるようです。


そして、妻である貴女はどうでしょう?実は、あなたも同じようにスーパーママに育てられ、家事など一切躾けられることなく大きくなりませんでしたか?だから、一世代前には普通だったワンオペが、これ程つらいのですよね?お母さんがやっていたように、仕事帰りにチャチャっと夕食を整えるのは難しいですね。夫が当たり前のようにソファーから「ご飯できた~?」って言うと、何か投げたくなって当然です。

1960年代、ウーマンリブ運動が持ち上がり、性役割意識・ジェンダーギャップが問題となって以降、世界は男女平等・男女同権へと進みつつあります。家庭内の家事育児負担についても、「当然妻・母がするべき」という認識ではなくなってきつつあるでしょう。面白い(?)のは、「平等」の方向性が所によって違うことです。私が出会った外国人の方々を見ていると、日本人に比べて男女ともに家事能力が高いと感じます。中国のように国策として男女とも等しく働き、等しく稼ぐのが当然とされ、家事育児もほぼ平等になされる国もあります。が、資本主義・自由経済の国の多くは政治の力ではなく、人々の関心・理解・努力によって変わってきました。特に欧米では、母親が夫に家事育児負担を求めるのに先だって、子ども達にお手伝いをさせる中で家事能力を育むのが流行しました。映画などを見ていても、食後の皿洗いや庭の掃除などを子どもに任せている場面をよく見ます。つまり、「それまでは女の子にのみさせていたお手伝いを男女ともにさせる」方向に変わりました。反して日本では、高度経済成長期に激増した専業主婦と家電の普及による家事の簡素化、続く学歴社会の中で、団塊の世代の妻達の、社会から取り残されたような寂寥感を背景に、学業を優先して「男女ともにやらせない」方向へ変わりました。今子育て中のお母さん方には、「結婚するまで全く家事をしなかった、教えて貰わなかった」という方が沢山います。家事、つまり生活者としての基本的な能力が育まれないままに大人になり、親になっている。「夫の方ができる」と言う方が結構いるのは、「女の子に家事を教えるのは抵抗があるが、男の子には積極的に教える」母親が少なくなかったからでしょう。

「して貰って当たり前」の夫をどうするか。もちろん、昨今の「男女に決まった役割なんてそもそもなくて、一緒に生活するなら協働すべき」と言う価値観で押し切ることもできるでしょうが、自分の育った家庭のあり方は生き方の根本ですから、同意はしても納得は出来かねるでしょう。
まず、正直に、率直に、冷静に、夫に伝えましょう。「私はあなたのお母さんと違う。スーパーママにはなれない。あなたの助けが必要だ」と。
その上で、やって欲しいことを少しずつ、根気強く「お願い」しましょう。やらないことをあげつらうのではなく、「こうしてくれると助かる、嬉しい」と伝えます。大抵の夫は結婚するときに「この人を一生大切にする」と心に誓うのですから、「一生懸命稼いで養う」以外の方法でその誓いが守れることを教えてあげましょう。

よく、「夫に何か頼んでも途中で投げ出したり、次の時に引き受けるのを渋る」と言う方が多いのですが、この場合、①指示が的確でない②能力以上の要求をした③結果についてマイナスの評価をした、可能性があります。
①、慣れないことにはマニュアルが必要です。最初はやって見せ、注意事項を伝える。例えば買い物ならメモを持たせる・売っている店を指定する。何時までにとデッドラインを決める。「大人なんだからそれくらい出来るでしょ」と思わないことです。
②、まずはとても簡単なことから。それも、複数のことをいっぺんに頼まない。男性は一般にマルチタスクをこなすのが苦手です。出来るようになってきたら少しずつ難易度を上げましょう。
③、結果について感謝を伝え、労う。これがないと次につながりません。ちょっと大げさに。催促は「出来てないよ・やってないよ」ではなく、「もう出来てるよね?」と、期待感をにじませます。抜けやミスは一々指摘せず、見逃してあげましょう。

私はよく、「男は5歳以上に精神年齢が上がらないから」と言います。例えば、3歳過ぎの女の子に何かを頼んで、「偉いね、すごいね」と大げさに褒めると、「ママ、またやらせようと思ってるでしょ」となります。でも男の子なら、3歳どころか30だって60だって、どれだけ褒めちぎってもそんなことは言いません。「あなたが抱くと私の時より気持ちよさそうね」って、嘘でも言ってみて下さい。必ず、「へへん」って顔をしますよ。褒められれば素直に喜んで、いくらでも木に登ってくれるのが男の人の可愛らしいところなのです。安心して褒めちぎりましょう。

逆に、出来なかったことについて追求すると、どんと落ちて「もうやらない」と拗ねるのが常ですから、出来たら褒め、出来なかったことはスルーして別の機会に違うアプローチで再トライさせましょう。

子どもにお手伝いをさせるのに適した年齢は4-5歳です。体格・体力と社会性が発達して承認欲求が出てきます。新聞運び・風呂洗いなど簡単な家事を「お仕事」として、家庭内での役割を持たせ、家族に貢献する喜びと責任感を育みます。夫に家事を教えるのは、それと全く同じ手順で良いのです。

家事育児の分担だけでなく、いろんなところで「うちの夫は子どもっぽいところがある」と思っている妻は多いのですが、大丈夫、うちだけではありません。
子どもに「お母さんの好きなところはどこ?」と聞くと、大多数の子が「美味しいご飯を作ってくれる、優しい」と答えます。既婚男性に妻の良いところを挙げて貰うと、面白いほど子どもと変わりません。女性に聞いたときに出てくる、「話をよく聞いてくれる、決断力がある、他人への思いやりがある」などの精神性や抽象的な事はなかなか挙がりません。もちろん個人差はありますが、このページを読んでいる貴女の夫は、きっとそんな感じですよね?
夫に色々不満はあっても、相手を5歳児だと思えば腹は立ちません。子どもと一緒にゆっくり育てましょう。

そして、政治家や学者の誰もそう言わないのがとても不思議なのですが、現代日本の少子化に大きく関わっているのが、「日本人の男女共に家事が苦手だ」という現実にあると私は思っています。先の欧米のように、子どもの頃から家事に取り組ませ、中学を卒業する頃には自分一人でも暮らしていける程度にすべきです。貴女の苦労を次の世代で再生産しないよう、お子さん達には年齢に合わせて家事を手ほどきし、生活者としての能力を育んであげて下さいね。

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