赤ちゃんの眠り方~夜型新生児から夜間断乳まで~ K's place ブログ, 母乳育児

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それ、産婆に聞いてみよう
生まれてすぐの赤ちゃんは、一日の殆どをとろとろ眠った状態で過ごし、昼夜の区別無く数時間おきに授乳が必要です。特に最初の1ヶ月半ほどは大人と全く正反対の夜型生活を送ります。3-4時頃の明け方に寝付き、午前いっぱいはよく眠り、午後から起き出して夕方から不穏な感じになり、夜中にキャンキャン泣いて、明け方寝付く。これはお母さんの内蔵として育ってきた胎児期の習慣が残っているからです。妊娠後期に、さあ寝ようと思う10-11時頃、急に赤ちゃんがバコバコ動き出すと訴えるお母さんが多いのですが、生まれると、その時間からキャンキャンになります。人間の体には交感神経優位・副交感神経優位という二つのモードがあって、前者は日中、体が活動して内臓が休んでいるモード、後者は逆です。夜中内臓が盛んに消化してくれるから、朝ご飯の後にうんこが出るのです。夜中にお産が多いのは、お産がお母さんの意思では無く赤ちゃん側のコントロールによるからです。胎児は明らかに内臓なので、副交感神経優位の時に、つまり夜中に活発になります。習慣というのはすぐに変えられないので、新生児が夜泣くのは当たり前なのです。

そこから、日中起きて夜眠る昼型の暮らしになるまで、1ヶ月半から3ヶ月ほどかかります。コンスタントに2-4時間おきに泣いていた子が、その間隔を延ばすのでは無く、授乳をストンと落とすように寝る時間が増えていきます。例えば、8時・11時・3時・6時に授乳があったとして、最初に3時、次に11時が無くなる感じです。生後3-4ヶ月頃には日没後の夜8時頃から日の出前後の朝6時頃までよく眠るようになります。ただし、お母さんの方で時間を決めて授乳をしていると、なかなかこの変化が出てきません。1ヶ月半頃から、お母さんが先回りして授乳するのではなく、赤ちゃんがしっかり泣いて授乳を催促するまで待ちましょう。

一度夜を通してよく眠るようになった赤ちゃんが、ほんの数週間後、4ヶ月頃にまた夜に数回泣いて起きるようになります。その時、決しておっぱいを出さないで下さい。一度夜眠れた子はもうその時間にお食事は必要ありません。ここで、人工乳だけで育てている場合は、例えミルクを作ってあげようとしても、いくらも飲まずに寝てしまうのが見て取れるので、「どうせ飲まないじゃん」となって、お母さんは泣かせておくようになります。すると、ほんの数回泣いただけでまたよく眠るようになるのです。ですが、母乳はお母さんにとって、どれだけ飲んでいるかが分からないので、吸い付かせて子どもが嬉しそうにチュクチュクすれば、お腹が空いていたんだと思ってしまいます。すると、8時に寝ても、12時・3時・5時・6時のように、朝に向かって段々間隔が詰まってくるような起き方をします。そしてこの習慣が断乳まで続きます。何年でも。そして、飲む気のない授乳というのは、乳首の痛みや乳腺炎などのトラブルを起こしがちですし、お母さんの慢性的な寝不足を合わせると、大変な健康リスクとなります。


実は、この朝に向かって段々詰まる起き方が、小さな子どもの眠り方です。眠ってから、4時間3時間2時間1時間30分と間を詰めながら、殆ど起きているところまで意識が上がってまた寝付くのを繰り返し、この全体としてよく寝ている状態です。これは小学校に上がる前くらいまで続くようです。よく、断乳したお母さんが「一晩中よく寝るようになりました」と言うのですが、子どもはそれまでと同じペースでチョコチョコ起きています。また寝るのにお母さんを使わなくなっただけなのです。

母乳の赤ちゃんに夜泣きが多いのは、寝付くときにおっぱいをしゃぶっているためです。例え4時間寝ていたとしても、その間の意識は無く、本人はワープしているのですから、目が覚め掛かったとき、今の今まで口に入っていたはずの乳首が無いことに驚いてキャァと泣くのです。元々自力で寝ていた子なら、目が覚めても「ああまだ夜か」と眠ってしまうのですが、おっぱいで寝る習慣の子どもは一々お母さんを起こします。なので、まずは今まで眠っていたはずの夜中に泣いてもおっぱいを出さないで、自力で眠るのを見守ってあげて下さい。ここで、おっぱいの代わりに抱き上げてトントンしたりすると、そうしないと眠らなくなり、おっぱいよりも何倍も大変なので、決して赤ちゃんに触らないことです。

既に寝かしつけのおっぱいが習慣になってしまって、ここまで読んで頭を抱えている方は、今晩からでも止めて大丈夫です。親子とも、「おっぱいが無ければ眠れない」と思い込んでいるだけです。無くても眠れます。断乳して安眠できるようになった沢山のお母さんがそれを証明してくれます。完全に断乳せずとも、夜中のおっぱいだけを止める、夜間断乳すれば良いのです。

まず、夜7-8時頃の最後の授乳の後、赤ちゃんがとろとろしていたらおむつを替えるなどして一度起こし、寝るべき場所に入れて「お休み」と声をかけたら、部屋を出るか隣で寝たふりをします。泣いても決して触らず、自力で眠れるまで見守りましょう。月齢の大きなお子さんで移動できてしまう場合は、ドアに鍵をかけて出られないようにしたり、周りの危ないものをどかすなどして危険防止をしましょう。朝6時以降になれば「お早う」と声をかけて授乳します。

夜間断乳のためには、丸々一晩は泣かせる覚悟が必要です。大抵の子は、最初の一晩、殆どを泣き通します。泣き疲れて寝入ることを数回繰り返してやっと自力で寝付けるようになります。次の晩には、最初に寝るときに幾らか泣いて、その後は泣かなかったと沢山のお母さんが報告してくれました。もちろん、泣く赤ちゃんに何もしないで見守るのはご両親にとって苦行です。ですが、一晩頑張ればと腹を括って下さい。
そのためには、お父さんが眠れなくても良いように週末を選ぶ、上の子どもを実家に預けるなど、工夫が要るかも知れませんね。

一番良くないのは、断乳を決めてみたけれど、泣きに負けておっぱいをあげてしまうことです。赤ちゃんは学習する生き物です。泣くことで望みが叶う、親をコントロールできると知った子は、無駄にしつこく泣くようになります。夜間断乳も、繰り返す毎に困難になりますから、一発勝負が必須です。もし泣かれたら耐えきれないと思うなら、トライするのは止めましょう。


寝かしつけのおっぱいは、子どもから止める事はまずありません。3歳になって「僕はお兄ちゃんだから、おっぱいは要らない」と豪語する子でも、寝とぼければ泣いて欲しがるのが子どもというものです。
寝かしつけにおっぱいを使うことと、お食事としての授乳は分けて考える必要があります。よく、1歳半前後のお子さんをお持ちのお母さんに、「いつになったら卒乳できますか?」と聞かれるのですが、ご飯をよく食べて、寝るとき以外にはおっぱいを欲しがらなくなっていれば、「卒乳はもう済んでいます。今は寝かしつけにおっぱいを使っているだけですよね」と答えます。夜中のチュクチュクは、どこかでお母さんが「もう嫌だ」となって、泣かせて止めなければいつまでも続きます。大きくなって走り回るような年になれば、ただ泣くだけでは済まず、寝とぼけてあちこちぶつかるなど危険が伴いますので、夜間断乳は早ければ早いほど簡単です。

赤ちゃんに飲む気が無くても、吸われれば出るのが母乳ですから、急に夜間断乳すると乳房が張って痛むでしょう。この授乳を最後に朝まであげないと決めたら、直後から乳房を冷やすと幾らか緩和されます。厚地のTシャツなどを着た上にブラジャーを着け、間に保冷剤を入れて固定するとしっかり冷やせます。その後も数日は同じ時間に冷やす必要がありますが、日中の授乳に比べれば、夜間の母乳分泌は格段に少ないのが実情ですから、ほんの2-3日冷やすだけで張らなくなる方が大半です。

カワイイ我が子の泣き声を聞いて一晩なんて、絶対無理と思っても、結局通る道なのです。ご家族と話合って、固い決意で実行してみて下さい。お母さんも、また一々お母さんを起こす手間無く眠れたお子さんも、すっきりと目覚めて午前中を溌剌と過ごせる日々が待っていますよ。

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