2019/12/13
歯が生えてきた赤ちゃんが、おっぱいをのみながら乳首の根本をしごくように噛んで、傷つけることがあります。
欧米では歯が生えるときに痛みがあるからだとして、痛み止を塗ったりしますが、日本ではむず痒いのだろうと言われています。
何にしろ、お母さんの乳首を歯がためにする必要はないので、噛まれて痛みを感じたら即座に授乳を中止して歯がためをあげましょう。
乳首を噛むのも遊び飲みの一種です。遊び飲みについては「乳首が痛い~2ヶ月以降」の記事をご参照ください。
お腹が空いてちゃんと飲んでいる時には、赤ちゃんの舌は下の歯茎より前に出ているはずなので、噛むことはできません。赤ちゃんの飲んでいる様子をよく見ていると、最初は痛み無くゴクゴク飲んでいて、数分経つとちょっと「ふぅ」って感じになり、首を振って浅く吸い付き直してからガシガシ始める子が大半です。空腹を満たすためのお食事と、単なる楽しみ・口慰みとして乳首をガシガシするのは、全く動作が違いますから、注意して飲む様子を観察するとその境が分かると思います。その「ふぅ」で授乳を切り上げましょう。
傷ができてしまったときは、抱き方を変えていつもと違う角度で吸い着かせると痛みが和らぎます。噛み傷は、赤ちゃんの前歯が当たるところに出来ますから、赤ちゃんの口の位置・角度をずらすと痛みが軽減します。
横抱きから脇抱きへ、脇抱きから横抱きへ、また授乳クッションの高さを少し変えるだけで歯があたる位置が変わるので、工夫してみて下さい。
ひどい傷には、サージカルテープ(傷などをガーゼなどで覆うときに使用する外科用テープ)でカバーするとよいでしょう。テープを30センチほどに切り、テープの真ん中で傷を覆います。残りを乳房に沿わせて貼り付けます。テープが短いと授乳の間に赤ちゃんの口に手繰り寄せられてしまうので、長めにするのがコツです。剥がすのが痛いときは軟膏などを塗ってからテープを貼りましょう。
月齢6ヶ月以降の赤ちゃんの中には、遊びとして乳首を噛む子がいます。乳首を噛むとお母さんが「キャッ」と反応するので、面白いのです。大好きなおっぱいと大好きなお母さんが繋がっていることは、赤ちゃんにとって大発見です。特に、お母さんが笑い顔で「○○ちゃーん、痛いよぉ」などと言っていると、遊んで貰っていると勘違いして、ますますやります。痛いなら、思い切り顔をしかめて赤ちゃんに向かって怖い顔をし、口に指を入れて引き剥がし、しばらく授乳を待たせてください。赤ちゃんは学習する生き物です。お母さんの態度でいけないことをしたと分かれば、噛まなくなります。